ニュース - 人殺し

高3暴行死、2時間以上もリンチ…現場には中学生ら十数人

 北海道函館市の公園で函館大有斗高3年、佐藤智也さん(18)が集団暴行を受けて死亡した事件で、傷害致死容疑で逮捕された中学の同級生や後輩など15〜18歳の7人の少年による暴行は2時間以上にわたって行われ、中学生や少女を含む十数人が見ていたことが28日、函館西署の調べで明らかになった。

 倒れて動かなくなった佐藤さんの意識を回復させようと水をかけ、逃げ去っていたこともわかった。少年らは「日ごろから(佐藤さんを)いじめていた」「佐藤さんが金銭問題で友人同士の仲たがいの原因を作った」などと話しており、同署が詳しい動機を調べている。

 調べによると、佐藤さんは、現場とは別の公園で遊んでいたところ、少年4人に呼び出され、同市富岡町の富岡中央公園に行った。そこで、佐藤さん一人をサッカーのゴールキーパーにしてPKをしているうちに、少年の数は十数人に増えた。

 午後7時半ごろから、佐藤さんを相手に1対1のけんかを意味する「タイマン」が、代わる代わる行われた。見ていた中には中学生や少女もおり、「次やれば」「いや、いい」などのやりとりもあったという。

 佐藤さんが「やめてくれ」「助けてくれ」と声を上げたため、少年らは、西に約1・5キロ離れた同市昭和町の昭和公園に移動した。

 同公園での暴行は午後8時半から約1時間半続き、金属バットで殴り、とびげりで池に落とすなどした。佐藤さんがあおむけに倒れたまま、動かなくなったため、少年らは、意識を回復させようと、菓子袋に水をくみ、佐藤さんの顔にかけ、逃げ去ったという。逮捕された7人のうち、1人は佐藤さんの中学時代の同級生で4人は後輩だった。

 函館西署は、28日午前10時から現場検証を実施。遺体を司法解剖する。

 佐藤さんの通っていた函館大有斗高では、28日朝から全校集会が開かれ、生徒が黙とうした。9月1、2日の学校祭も中止する。逮捕された少年に、同校の生徒はいない。

(2007年8月28日14時44分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070828i405.htm?from=main4