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アイス7割に大腸菌群 石屋製菓 抽出検査1カ月以上未報告(08/16 07:15)
 石屋製菓札幌市西区宮の沢、石水勲社長)が製造したアイスクリーム類(商品名ミルキーロッキーなど)から大腸菌群が検出された問題で、同社が六月下旬から七月上旬に行った自主検査で調べたアイスクリーム類の検体の70%以上から、大腸菌群が検出されていたことが十五日、北海道新聞が入手した同社の内部資料や関係者の話で分かった。この後の自主検査でもほぼ毎回大腸菌群が見つかったが、同社は内部告発があるまで、こうした事実を一カ月以上秘匿し続け、札幌市保健所に報告せず、ひそかに廃棄処分などを行っていた。

 市保健所は同社のアイスクリーム類が高い割合で大腸菌群陽性となっていた事実を把握しており、十五日から始まった立ち入り検査でさらに詳しく汚染の実態について調べる方針。

 大腸菌群は消費者の健康被害を招く恐れもあり、市保健所は同社のこうした姿勢を「市民に安全な食品を提供する企業として許されない行為」と厳しく批判している。

 内部資料や関係者の話を総合すると、大腸菌群の陽性反応が出たのは「ミルキーロッキー」のほか、「雪だるまくんアイスクリーム」などアイスクリーム類で、昨年六月三日から今年六月三十日までに製造された商品。

 「ミルキーロッキー」で大腸菌群が初めて確認されたのは今年六月三十日。この商品に対する自主検査はこの日を含め計四回行われたが、検査した計五十四検体のうち72%にあたる三十九検体から大腸菌群が確認された。そのうち七月二日の検査では三十五検体のうち三十四検体から大腸菌群が見つかっている。

 同社は六月三十日にアイスクリーム類の出荷を停止。「ミルキーロッキー」三万三千七百四十一個(計約四トン)を三回に分けて廃棄処分したが、一部はすでに市場に出回っており、回収されなかった。

 同社は並行して七月上旬から下旬までに、「雪だるまくんアイスクリーム」などアイスクリーム類の自主検査を続行。最終的に百七十三検体中、六十六検体から大腸菌群が検出された。

 内部告発を受けた市保健所が同社本社工場を初めて立ち入り検査し、事実を確認できたのは八月十日だった。

 道立衛生研究所(札幌)の食品微生物科は「大腸菌群検出の割合が高いだけで、製造工程などの汚染度合いを判断することはできない」としながらも、「工場内で汚染がかなり広がっていた可能性がある」と話している。

 極めて高い割合で大腸菌群が検出されていた実態について、石屋製菓の伊藤道行取締役統括部長は「分からない」とコメントを避けた。

 同社のアイスクリーム類については、製造機械が食品衛生法で定める温度六八度で三十分間以上の加熱殺菌条件を満たしていなかったことが分かっている。


http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/43665.html