うわー雷だ

雷がゴロゴロしていると真面目に怖い。雷って何だろうか。

◇雷とは何か?
電気に対する物体の性質としては導体と絶縁体があります。絶縁体は通常、電気を通しませんが、非常に高い電圧をかけると絶縁破壊という現象が起き、放電がおきて瞬間的に電気が流れます。空気は絶縁体ですが、1センチメートルあたり5000ボルト以上の電圧を加えると、パチッと火花がとびます。空気が絶縁破壊するときに音と光を出す放電がおきます。これが火花放電です。そして雷は自然がおこす超大型の火花放電なのです。

・何が雷を起こすのか?
 何が雷を起こすのかというと、雷雲がおこすのです。雨雲でも、雲粒と雨粒の間で電気が分かれますが、空気の絶縁を破壊するほどにはなりません。雷雲というのは空気の絶縁破壊をおこすほど強い発電作用を持つ雲なのです。

・雷放電について
 雲の中のプラスとマイナス電気が中和する放電を雲放電といいます。雲の下部のマイナス電気が、地面にプラス電気を呼び寄せて、このプラス、マイナス電気がおこす放電が落雷です。落雷の電流は瞬間的には約3万アンペアになりますが、10万分の4秒たつと半分に減少します。雷のエネルギーは、雷の(電圧×電流×継続時間)で計算されます。およそ400キロワットアワーと推定されます。これは、家庭用の電力にすると、1軒2箇月分くらいに相当します。プロ野球のナイターでは照明を30分継続する電力です。

 高速カメラで落雷の写真を撮ると、雲から空気の絶縁を破って火花放電が下りてくる様子が分かります。火花放電は雲から大地まで一気に進むわけではなく、30メーターくらい進むと、一瞬停止して再出発し、30メーター毎に一休みして進むので階段型放電と呼ばれます。この放電が大地に届くと大地から非常に明るい放電が、早い速度で雲に向かって上昇します。落雷の放電は、このように雲から下降し、大地に達すると同じ経路を雲に向かって上昇する往復運動となります。一つの落雷では、この往復運動は一回で終わることもあり、数回繰り返されることもあります。

・雷の種類
上昇気流ができる原因によって雷は分類されます。上層の空気が冷たく、下層の空気が日射などで暖められると上昇気流が起きます。この上昇気流でつくられる雷雲を熱雷(気団雷)と呼びます。冷たい空気と暖かい空気が接していて、冷たい空気のほうが前進すると、冷たい空気は重いので暖かい空気の下に潜り込んで行きます。暖かい空気の方が前進すると、冷たい空気の上を暖かい空気が滑り上がります。いずれにしても上昇気流がおきますから、条件の良いときには雷雲ができます。こういう雷雲を界雷(前線雷)と呼びます。低気圧の中では上昇気流がおきますから、この上昇気流でできる雷雲を渦雷(低気圧雷)と呼びます。冬の雷雲は、冷たいシベリア気団が比較的暖かい日本海の上を渡ってくるときにできるので、熱雷の一種です。

なるほど。よくわかりました。