植木等さんが亡くなられたそうだ。
少し前に見た「冬の運動会」の中の大学教授の役柄が心に残っている。家庭では厳格な祖父として、若い愛人のところでは、一日中部屋着をきた物わかりのいい独りの男。二つの顔を持ちながらも、残りの人生を自由に生きるという設定だった。病でふせっている愛人に口紅を選ぶときの幸せそうな顔は、植木さんの柔和な笑顔がまた一段と柔らかくみえた。
若い頃のコメディアンから今日の俳優として、年をかさねた人独特の存在感とともに、とりわけ懐かしさが目立った。
三月に逝く人は、心に残る人が多い。
あちらでハナさんと、今頃、笑い話でもしていらしたらいいな。
