カランコエ

雑然とした部屋に似合わないけど、小さな鉢を求めてきた。
花びらが、少しずつ色を増す。
昨日よりも、にぎやかに、重なり合う丸みを帯びた花弁。
カランコエと呼ぶらしい。
花を求める時のきもちって、なんだろう?
一瞬、啄木の詩歌が頭をかすめるが、感傷的なムードは無い。
紫煙がゆらゆらと漂うむこうに、小さな赤いはなびら。
テーブルの隅に、置いておこう。
此処がきみの場所。