首相らに封書6通と便箋2枚の遺書 松岡農水相自殺

衆議院赤坂議員宿舎で自殺した松岡利勝・農林水産相(62)の居間に、安倍首相や農水事務次官らにあてた封書入り6通と便箋(びんせん)2枚の遺書が残されていたことが28日、分かった。警視庁の検視で、死因は首が絞まったことによる窒息死と判明。遺体の状況から、同日正午過ぎに発見される直前に、首をつったとみられるという。
 関係者によると、遺書はすべてボールペン書きで、居間のテーブルの上にそろえて置いてあった。封書入りは安倍首相と農水事務次官、秘書官、親類の景山俊太郎参院議員らあてで、「親展」とあり、裏に本人の署名があった。あて名は縦書きだった。
 便箋はA4判の農水省のもので、2枚とも横書き。うち1枚のあて先は「国民の皆さま、後援会の皆さま」で、28日の日付と本人の署名があり、「不徳の致すところで申し訳ない。ご迷惑をおかけしておわび申し上げます。あとはよろしく」との趣旨がしっかりした文字で書かれていた。ただ、指摘されている一連の問題や疑惑への言及はなかったとされる。
 もう1枚の便箋には「内情は家内が知っています。あとどこに何があるかは探さないでください。そっとしておいてください」との内容が書かれていたという。
 警視庁の調べでは、松岡氏は発見時、パジャマ姿で、玄関から遺書の置いてあった居間に入るところにあるドア上部の角に、直径数ミリの布製のひもをくくりつけて首をつっていた。足元には高さ約30センチの脚立が残っていたという。
 松岡氏はこの日、農水省内で午後0時15分から打ち合わせが予定されていたが、正午ごろになっても外に出てこなかったため、秘書官らが部屋を訪ねた。応答がなかったため、秘書に鍵を持ってこさせて玄関を開けて中に入ったという。
 遺書について、景山参院議員は「ノーコメント」と話した。
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