青の魔法


夕暮れのひと時。高いビルの窓から下に目をやると、黒い小さなアリのように人が動いている。マッチ箱のような四角い車が行きかっている。

暑かった昼間の疲れがでたのか、気が抜けている。ぼぉーとした視界の中の小さな世界は、箱庭のように整然としている。いっそ、箱庭なら緑をもっと増やしてみたいいなあと思う。

そうそう、もっと緑の樹木で埋め尽くしたい。薄いブルーの小川も縦横に流れてるといいな。この際、電信柱はすべて排除しよっと。

あと、道の両側には花を植えてっと。思わずぴくぴくっと鼻を動かしてみる。魔法でそんなことができればいいなあと、空想に浸っていたら、肩をたたかれた。

「○○さん、会議始まりますよ、あと、よだれでてます。」 

「・・・」


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