今日の出来事

本当はつげ義春なんてこの世に存在していない人物なのではないか。今まで見てきた漫画は、すべて夢の世界の出来事ではないだろうか。そんな風にも思えてくるような悶々とした退屈な日常を送っていた。しかし、つげ義春は、確かにこの世に存在していた。取材を申し込んだところ、快く承諾していただいた。
編集長とわたしはつげさんの住まいの近くの喫茶店で待ち合わせることにした。待ち合わせ時間ちょうどにつげさんは自転車に乗ってやってきた。なんて素朴な人なのだろうと思った。

つづく